市による提訴および裁判の経緯と問題点

この問題は、山下議員の土地に挟まれているにもかかわらず市有地として登記されている土地について、双方がその所有権を主張していることにより裁判にまで発展している問題です。
実際の土地の状態、関連文書、市による提訴までの経緯の詳細、また市の対応の問題点などについての詳細は、デモクラシー沼津のこちらのページを参照してください。

提訴までの経緯の概要および裁判の推移
2022年8月下旬山下議員が市有地を不法占有しているという匿名の手紙が高橋市議(志政会)宅に届けられ、浅原議長に報告された。
   9月20日沼津市道路管理課が行政指導後に現場を確認した際、山下議員が駐車場として貸していた別の土地が市有地として登記されていることを新たに確認した。(匿名の手紙で指摘された土地に置いていた私物については是正された。)
   10月11日議長招集による議員全体会議が開催され、山下議員および市の関連担当者が議員から説明を求められた。山下議員は議長から厳重注意を受けた。
   10月31日関連する土地売買契約書1通と、市から山下議員の父親に対する、問題の土地(駐車場として使用されていた部分)の払下げ確約書が開示された。
   12月14日市が山下議員に対し、駐車場料金10年分のおよそ200万円の不当利得返還を請求した。
2023年6月30日山下議員の前代理人に、市からのおよそ202万円の納入通知書が届いた。
   9月5日山下議員宅において、問題の土地以外の売買契約書、物件移転補償契約書、稟議書等一式が見つかった。
   10月16日沼津市議会本会議で山下議員に対する提訴議案が可決された。
   10月17日市民489人の連名による、山下議員に対する提訴の取り下げと協議による問題解決を求める住民監査請求が提出された。
   11月13日監査委員会は住民監査請求を却下したが、異例の意見を付加し両者の協議による解決を求めた。
   11月20日監査委員の意見を受け、地方自治に民主主義を求める会(求める会)が話し合いの場を設けることを市長に申し入れた。この申し入れに対し、市は拒否回答(11/24)。 この申し入れおよびその後の再申し入れ、それらに対する市長と議長の回答については、こちらのページ
   11月27日求める会が、市長と市議会議長に対し、今回の問題や別の市議会議員による官地占有に関して、市民との面談を求める申し入れを行った。この申し入れと市長、議長とのやり取りについては、こちらのページ
   11月28日沼津市が山下議員を提訴
   11月29日山下議員を支援する市民グループや多くの市民の参加のもと、山下議員と代理人弁護士による緊急記者会見が開催され、市の提訴に対する弁護士からの反論が行なわれた。弁護士の見解は、こちらを参照。
2024年2月14日第1回口頭弁論 (山下被告側の答弁) 裁判の推移および答弁内容などについては、掲載予定。
   4月17日第2回口頭弁論 (原告沼津市側の反論)

市議会の対応の問題点

  • 問題が発覚した直後の2022年10月に、当時の浅原議長が議員全体会議を招集して山下市議と市の担当者に対する調査を行ったこと。

議長の権限は議会の運営や議会内での事柄に関するものであることは地方自治法に規定されている。また、市議会の調査権限は、行政における問題を調査するためのものであり、百条委員会を設置した上で行政に対して調査を行うことになっている。
しかし、本件の問題は行政上の問題や市議会内でのものではなく、山下市議と沼津市との間での個人の問題である。それにもかかわらず、議長が副議長に調査を指示したり法的根拠のない議員全体会議を開催したことは、議長の越権行為である。

  • 沼津市が提出した山下議員提訴の議案に対して、市議会は山下市議への詳細な聞き取りや調査を実施することなく、また議会での深い討議もすることなく承認してしまっていること。

市の対応の問題点

  • 山下市議が繰り返し協議による解決を求めているにもかかわらず、協議に応じる姿勢を見せず、提訴に踏み切ったこと。

沼津市側は協議を求めてきたと説明しているが、市が求めていた協議とは、問題の土地の所有者が沼津市であることを前提とした上で不当利得金額の減額には応じるというものであって、山下市議が求めていた所有権についての協議ではない。本件の根本問題は問題の土地の所有権がどちらにあるのかということなのだから、沼津市による土地の所有を山下市議に迫るものである市が主張する協議は、一方的でまやかしでしかない。
さらに沼津市は、山下市議からの協議の申し入れに対しては、応じようとする姿勢を全く見せていない。

  • 沼津市が裁判に費やす費用は、山下市議に要求している不当利得等の金額を超えると予想されるにもかかわらず、裁判ではなく話し合いにより解決しようとする努力をせずに市民からの税金を費やそうとしていること。
  • 文書管理上の問題

沼津市の文書管理規定では、公有財産の取得、処分等を行うための決済文書の保存期間は30年と定められているが、個々の文書の保存期間に関わらず関連する文書を一括して保存しておかなければ、後の検証が非常に困難になってしまう。それにもかかわらず、一部の関連文書を保存期間が30年未満であるとして廃棄してしまった。