オピニオン ー 市政
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市政一般
市民あっての沼津市だろう: 吉田由美子 (岡宮) 沼津朝日投稿 2025年7月1日
沼津市が山下富美子議員を訴えた裁判が5月21日に結審した。運よく傍聴できたので、一傍聴人として感じたこと、思ったことを書く。
この一件が明らかになった時から、ずっと疑問に思っていたことがある。もし沼津市の言う通り、訴訟の対象となった本件土地が市有地だとしたら、市は、なぜ、あんな形(南北に山下議員の土地、東側を浪人川、西側は黒瀬橋の橋脚)で土地を残したのか、という点だ。
当日は市側の証人が3人も出てきた。きっと、そして、やっと、この疑問への答えが語られるのだろうと、内心ワクワクしていた。けれど、一貫して主張したのは、「故植松氏(山下議員の亡父)に払い下げるために確約書を作成した」ということ。
なあんだ。やっぱり、はなっから市有地として有効活用しようなんていう気はなかったのだ。それを後付けで「公衆用道路だ」とか「橋脚のメンテナンス用に活用している」とか言い訳ばかりだった。
公衆用道路の定義は「不特定多数の人々が自由に通行できる道路」「一般交通の用に供する道路」である。
登記簿上の地目の一つでしかない「公衆用道路」という言葉は公道と私道を区別するためには使われない。とすれば、このような形状、状態の本件土地は道路というより単に「地所」と言うべきだろう。
それに山下市議の私有地を通らなければ本件土地に立ち入ることができない現状は、とても「不特定多数の人々が自由に通行できる」状態とは言わない。沼津市の言い分は強弁が過ぎる。
また、「故植松氏から払い下げの申し出がなかったから市有地のままである」という主張も納得できない。もし申し出がなかったとしても、なぜ放っておく?仮にも市の財産だ。払い下げを受けるよう何度でも督促すべき案件だろう。無為無策に放置したとしたら、それは役所の怠慢である。
職員経験者から「あんな風に残すことはしないよ、普通」という声も複数聞こえてくる。市側の証言は、ただ沼津市の杜撰(ずさん)な対応を浮き彫りにしただけだった。
私が許せなかったこと。それは市側証人の証言の中に、死人に口なしとばかりに故植松氏の人柄を貶(おとし)めるような表現が何度も出てきたことだ。
山下議員側弁護士の尋問に「あなたは直接知らないでしょう!私は何度も会って話をしている」と証人が気色ばむことがあったが、故植松氏の娘である山下議員を前に、よく言えたと思う。
母屋の半分を取り壊すほどの土地を自分の代で手放すという故植松氏の苦渋の決断がなければ、現在の黒瀬橋の姿はないことを、沼津市はゆめゆめ忘れてはならない。
この裁判には沼津市議会の邪(よこしま)な思惑が見え隠れする。少数派ながらも実績があり、市民の支持も得ている未来の風会派、山下・江本浩二両議員が目障りなのだろう。不当な懲罰を科してみたが、状況は変わらなかった。そこで匿名投書に飛びつき訴訟へと持ち込んだ。市が市民を訴える訴訟など、議会が正常に機能していれば通すはずがない。その上、長田吉信議員は隠し録りまでして、証人として市に協力した。
市民のために働くのが市議会議員の仕事。その市議に要らぬ負担をかけ、邪魔をする市議会。今回の裁判を教訓に、沼津市議会には一日も早く二元代表制における議会の役割に気付き、本来の職務を全うしてくれることを心の底から願う。
知らしむべからず、な公聴会: 吉田由美子 (岡宮) 沼津朝日投稿 2025年6月28日
「東駿河湾広域都市計画都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」についての公聴会(今月十三日、沼津市立図書館で開催)では、私を含む五人の公述人が意見を述べた。それぞれ素晴らしい提言だった。傍聴もできたのだが、如何せん認知度が低すぎて人は集まらなかった。
報道陣以外の録音、録画は禁止されていたから、ほかの方の公述の内容は自分のメモに頼るしかない。せっかく県民が意見を述べるのに、周知されなくてはもったいないと思い、係員に確認した。
「公述の内容は、どこかにアップされますか?」
「されません」
「じゃあ、どんな意見だったかは、誰にも知らされないんですね?」
「まあ、公表されるということはありません」
「では、議事録はどこかにアップされますか?」
「議事録は作成されますが、これも公表されるということはありません」
この後の返答が衝撃的だった。
「ご覧になりたければ、情報開示請求を掛けてください」
公開で行うから公聴会だろう。「県民皆さんの意見を反映させたいから」と公述を募集したはず。わざわざ開示請求しなければ公にしないとは、隠したがっていると思われても仕方ない。
結局、根本的には「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」が未だに罷(まか)り通っていて、「広く県民・市民の意見を聞く」が、いかに建前なのかが、よく分かる。
会の終了後、ほかの公述人の方と話したが、「住民目線でない」「住民不在の計画」で盛り上がってしまった。
都市計画は該当市町からの変更・中止等の申し出を受けて県が調査変更する。つまり、市町が住民のニーズや声を聞かずにいるから、こんな計画になるのだ。市町には、住民がもっと気軽に意見を言える場、機会を増やしてほしい。
さて今回、なぜ公述人になったのかと言えば、何も意見を言わなかったら鉄道高架事業がこのまま続行されてしまうからだ。私を含む三人が、高架事業の見直しを求める意見を公述した。
自説を述べさせていただければ、沼津駅を橋上駅にして周辺を人が自由に歩けるという、まちづくりは賛成するが、総延長5㌔に及ぶ鉄道高架は取りやめるべきということになる。特に人口減からの工事の不必要性を強調した。
県の資料によれば、鉄道高架本体工事は2028年着工、2040年に完成予定となっている。完成時、現在約18万人の沼津市の人口は予測では約14・9万人に減る。減少する約3・1万人は現在の清水町の人口に当たる。つまり15年後には清水町一つ分の人口が沼津からいなくなるのだ。その時に完成する鉄道高架は一体誰のためなのか。誰得なのか。
今後15年間、鉄道高架事業のために年に数十億円の支出を続けるのか。鉄道本体の工事が始まっていない今だから、まだ間に合う。県が耳を傾けてくれることを切に祈っている。
誰も知らない: 吉田由美子 (岡宮) 沼津朝日投稿 2025年6月26日
今月13日、「都市計画公聴会」なるものに口述人として出席した。この公聴会について聞いたことがある人は、どれくらいいるだろうか。かく言う私も今回初めて知った。
当日配布された会次第によると、この公聴会は「都市計画の案の作成に当たって、皆さんの意見を反映し、よりよい都市計画にするため、公開の場で皆さんに意見を陳述(口述)してもらうもの」だそうだ。ここで疑問に思うのは、「皆さん」とは一体誰なのか、ということだ。普通に考えれば、全県民が対象であろう。しかし、公聴会の認知度が低すぎて、意見など集まりようがない。
都市計画区域というのがあるようで、市ごと町ごとのこともあれば、いくつかの市町にまたがる区域もあり、私が意見を述べたのは「東駿河湾広域都市計画都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」に対してである。関係市町は、沼津市・三島市・清水町・長泉町の二市二町であった。
今年3月のこの4市町の人口は約35・8万人。少なくともこの内の成人人口数に認知されていなければ、「皆さん」などという言葉は使えないのではないか。
さらに恐ろしいのは、「期間内に公述申出が無かった場合は開催を中止」すると言い放っているところだ。十分に知らしめてもいないのに、だ。まるで最初から県民の意見など、聞く気はないと言っているようだ。
県による原案の縦覧が開始されたのが5月27日火曜日。公聴会の開催については「広報ぬまづ」に掲載されたが、一体どれ程の市民が広報を読み、その中の告知の一つに興味を持ち、県のホームページで検索までして、この原案縦覧に辿り着くと考えているのだろうか。
そして、公述申し出の締め切りが6月5日木曜日の午後5時15分で、なんと郵送か持参に限るというのだ。子ども達が宿題をタブレットで提出する時代に!メールでも、せめてFAXでの受け付けがどうしてできないのだろう。
昨今の郵便事情を考えると、速達でのデッドラインは6月3日火曜日。原案の内容を読み込み(行政文書なので専門用語も多く、初めて読む人間には何を言っているのかよく分からなかった)、問題点を見つけ出し、自分の意見をまとめるのに、正味1週間は如何せん短すぎる。
その上、ホームページ上の原案縦覧も口述申し出の締め切りと同時にアクセスできないようになっていた。もう一度、図(A4用紙に印刷したものは小さくてよく見えない)を確認したかったのに。
県のホームページによると今年度の公聴会は19回予定し、今月21日現在、既に日程を終えた14回のうち、開催されたのは、たったの3回。今月23日以降の開催予定で「口述申出なし」で中止が決定しているのが1回。形だけの公聴会と言われても仕方がない。 もう一つ気になったのは、出席した県の職員15人が全員男性だったことだ。さすがは男女平等達成率146カ国中118位の日本。地方自治体にも男女不平等が行き届いている。
今ある危機 ダイオキシン汚染: 沓澤大三 (松長) 沼津朝日投稿 2025年4月5日
ダイオキシン類による汚染が新中間処理施設建設予定地で見つかり、なぜ長年放置されてきたのか、市民は健康影響調査などの説明会開催を沼津市に求めましたが、市の回答(3月25日)は、汚染状況の検査中で「処理方法が確定した段階で実施する予定」と、先延ばしです。
環境基準を大幅に超えるダイオキシン類が見つかったのです。危険は現在進行形なのです。ダイオキシン類が人体に深刻な被害を与えることは歴史的な事実です。
ベトナム戦争でアメリカ軍が使った枯れ葉剤による催奇形性や、日本でのカネミ油症事件での被害が明らかとなり、ダイオキシン類対策特別措置法ができました(1999年制定、2000年公布)。処理や廃棄には厳しい基準が設けられ、罰則ができました。その前には地下鉄サリン事件もありましたが、ダイオキシン類は「サリンより危険」と宣伝されました。
ダイオキシン類は直接吸い込む以外に食物連鎖で人間の体内に入り、脂肪にたまりやすいと言われます。母乳の汚染が心配され、ダイオキシン対措法に基づき、政府は20年近くかけて削減に努めてきました。
それが沼津市では約50年間も放置されてきた結果、市民にどのような影響があったのか、真剣な調査が、今こそ必要です。
環境基準の16倍ものダイオキシン類汚染が見つかり、汚染された土壌は10㌧トラック90台分にも上ると発表されています。これを厳密に撤去・処理するのは大変な作業です。
大量の汚染が見つかったならば、どこまで、どれくらい汚染されているか、範囲を確定し、土壌と地下水への影響を調べるべきものです。
そして、汚染を除去するには、飛散防止対策、流出防止策を徹底、作業者の安全も確保し、周辺住民への安全策を講じなければなりません。
運搬にあたっても汚染土壌を収納するには密閉型のものを使用し、運搬ルートも公表し安全を徹底します。汚染地帯は工事ができるようにドームで覆うことが必要です。
市は、ダイオキシン類は50年前の旧ごみ焼却場(昭和49年ごろ)のことのように説明しますが、仮に、その説明でもダイオキシン類の毒性は減少していませんし、基準値を超えるダイオキシン類が今、市の敷地内にあるという現実からして市民に説明しなければなりません。
今までの沼津市の説明を見ていると、実情が分からないからと他人ごとで、目の前の危険物を撤去するという緊張感は見られません。土を被せてあるから良いのだと、対措法の誤解があるようです。環境行政の専門家が沼津市にいないはずはないと思います。
もう一つ重要なのは、市民との約束を沼津市が守っていないことが明らかになったことです。現在の施設を造る時に沼津市が清水町外原地区と結んだ「覚書」(1974年)や「公害防止協定」(76年)を守っていないことです。旧施設を完全に撤去する約束を守らず、ごみピットを残していたのです。だからダイオキシン類や重金属の汚染が放置されていたのです。50年近くも約束を守らずに来たのです。協定によれば、ただちに操業停止に当たるものです。
ダイオキシン類汚染を市民への説明のもと、安全に、かつ完全に撤去することが最優先で、これを抜きに新中間処理施設を建設することはできません。
3月28日、新中間処理施設建設の差し止めを求め、市民が住民監査請求をしました。沼津市には、現在のダイオキシン汚染問題の説明とともに、住民監査請求への誠実かつ早急な対応が求められています。
私達、市民にとっては健康と安全にかかわる問題として注視し、解決を求めていきましょう。
開いた口が塞がらない: 吉田由美子 (岡宮) 沼津朝日投稿 2025年3月5日
驚いた。沼津市がまた特別職給与と議員期末手当を引き上げる。令和4年度に上げて、5年度に上げた時も驚いたが、またまた引き上げるんだと。開いた口が塞がらない。
頼重秀一市長は、どんな気持ちでこの議案を承認したのだろう。何の躊躇(ちゅうちょ)もなかったのだろうか。
過去二回、沼津市議会は「市特別職報酬等審議会」に諮ることなく、この議案を通している。反対したのは共産党と未来の風のみ。
悲しいかな、今の沼津市議会は少数会派が反対しても多数決の原理で、ほぼすべての議案が可決される。そういう状況を市議出身の頼重市長が知らないはずはなく、自分が承認しさえすれば必ず議案は通ると分かっているだろう。
市長の報酬月額は100万円を超える。引き上げ前の期末手当は536万6700円。これほど厚遇されても、まだ報酬を増やしたいのだろうか。引き上げ後は548万7300円。12万600円増えるだけだから、どうってことない、ということなのか。
ちなみに市の資料によれば、令和5年度の市職員月額の中央値は26万6000円、最頻値は19万8500円である。一方、特別職の中で一番低い議員の月額でさえ49万3000円。この給与格差で「一般職を上げたから我々特別職も引き上げま~す」は、到底承服できない。
国民年金は満額貰えて月額6万9308円。ボーナスが支給されない職業も多々ある。ここ2~3年の物価高騰、昨年来の「令和の米騒動」。ワイドショーは連日のように家計節約術を指南する。外装や値段はそのままなのに、容量が何十グラムも減っている。
食糧支援や、こども食堂といった活動も、食品の集まりが悪くなっている。昨年、フェイスブックで、高校に受かったけれど制服を作るお金がなくて進学ができないと訴える投稿を見た。市長をはじめとして多数派議員には市民の窮状は目に入らない、いや興味がないのだろうか。
人事院勧告は国家公務員の給与を上げようという、それもあくまでも「勧告」だ。地方自治体が、それに「倣って」地方公務員一般職の給与を上げるのは争議権が認められていないという事情があるし、一般職は労働者には違いない。
翻って、特別職は同じ公職とは言え、上述したように待遇に雲泥の差がある。 この議案を審査した市議会総務委員会で尾藤正弘委員は「国の取り扱いにならったもので合理的」だと賛成を表明し、梶泰久、渡邉博夫、大川敬太郎、髙橋達也各委員も賛成したそうだ。賛成した諸委員には、山下富美子委員による反対の理由3点(沼津朝日新聞2月14日付一面記事参照)を踏まえて、人事院勧告に倣うのが、どう合理的なのかを説明してほしい。
鉄道高架の問題点: 川口 公文(鉄道高架を見直し沼津を元気にする市民の会代表) 沼津朝日投稿 2024年9月15日
私達の会は、沼津駅鉄道高架事業を核とする沼津駅周辺総合整備事業は何ら市民の利益にならない無駄な巨大事業であるとして、20年以上に亘って強く事業の見直しを求め、その立場から、原貨物駅に土地を売らない地権者の会はじめ富士見町の区画整理に該当する市民の皆様の鉄道高架見直し運動に敬意を表し、支援してきました。
行政は今、貨物駅移転対象地を強制収用(収奪)で手に入れ、新貨物駅関連の整備工事を開始、富士見町では住民らが望まない区画整理事業を押し付け、鉄道と都市計画道路の用地を「召し上げる」理不尽極まりない手法を使ってまで進めています。
事業は、このように一部市民の権利と人権侵害無しには実現せず、構想から約40年経った今でも、経済的社会的な時のアセスを慮外に進めようとしています。「まちづくり」は、こうした一部市民の犠牲があってはならず、事業は市民合意が大事な要件、関係者が納得した上に進めることが民主主義の根幹というものです。
時のアセスで第一に考慮すべきは、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)予測に基づく将来の人口推計値ですが、これによれば高架化完成時の沼津市の人口は3割減の、およそ13万人で高齢化率は4割にも達し、生産年齢人口は6万人に半減するという現実が待っています。
とすれば、単純計算でも沼津市の歳入の約半分を占める個人市民税は半減、高架事業はじめ投資的新規事業へ向ける財政的な余裕は、ほとんどなく、市民サービスの低下は避けられません。
また、人口と交通需要量は比例しますので、鉄道高架などでの都市中心部の大掛かりな改造の必要性は全くなくなり、あるとされている南北分断の解消は、橋上駅方式などによって短期に安価に改善できます。それよりも、過大な事業によって全市民と後進に大きな負の遺産(借金)を相続させることは絶対に避けなくてはなりません。
そうした視点から今般、静岡大学教授の川瀬憲子先生をお招きし、「鉄道高架の問題点は何か」と題して、来る21日(土)午後1時半から市立図書館4階で講演会を開催します。 将来にわたる市民の利益について考えた場合、本事業が如何に無謀なものかを市民の皆様と共に学ぶ良い機会として、ここに本講演会へのご参加を呼び掛かけるものです。
お金がない? 2: 吉田由美子 (岡宮) 沼津朝日投稿 2024年9月14日
市道の劣化が激しい。ひび割れて、アスファルトの小さな欠片が飛び上がる。部分的な補修でモザイク模様が出来上がっている所は雨が降ったりすると滑り方が違うので怖い。放置された段差でつまづき、転びそうになる。実際、自転車で転んだ友人もいる。何年も、下手をすれば十年以上も、ほったらかしだ。
消えかかった白線。消えた横断歩道。夕方や雨天時など、危険なこと、この上ない。
子ども達の通学路だろうが、交通量が多かろうが関係ない。塗装が消えているから、直前まで横断歩道があると分からず、ハッとすることもある。「まだ直さないのか…」と通るたびに、 がっかりするし呆れもする。
なぜ、こんな道路が増えたのか。それは沼津市にお金がないからだ。
公園へ行けば年中雑草が生い茂り、幼児なら姿が隠れてしまうほど草深い。マダニ感染症の怖さを考えると、うかつに近寄れない。
清々と刈ってあるのは年に数日、芝生広場なんて名ばかりで見る影もない。広々とした空間なのに歩けたり遊べたりする所は、とても限られてしまう。
朽ちかけたテーブル。朽ちたベンチ。破損したウッドデッキは、「立ち入り禁止」のテープすらも日に焼け、文字が消え、用をなさない。市民が公園で楽しむことは様々だが、整備不良で出来ないことが多々あるのは、沼津市にお金がないからだ。
なぜ、お金がないのか。
それは、鉄道高架事業のために毎年毎年数十億円をいの一番に取り分けているからだ。公共事業にお金も時間もかかるのは百も承知だが、安全安心で快適な市民生活をここまで犠牲にする必要があると、沼津市や沼津市議会は市民に周知したのか。
かつての沼津市は、財政的には、いわば優良企業だった。それが、この40年の間に、そうではなくなってしまった。出費は今後17年以上も続く。沼津市と沼津市民が、今この問題に真剣に向き合わなければ、市内は荒廃する一方だ。 今月21日、静岡大学の川瀬憲子教授の講演は「鉄道高架の問題点は何か」という題だが、 多くの市民が関心を持ち、問題点は何かを知ることが沼津の明るい未来のための最初の一歩だと思う。
お金がない?: 吉田由美子 (岡宮) 沼津朝日投稿 2024年9月12日
三島市役所の新庁舎候補地が決まったというニュースを見た。三島市のホームページによると、新庁舎の検討が始まったのは平成27年(2015)とある。現庁舎は1960年竣工だというから、築55年程の頃から準備を始めていたことになる。また、浸水に備えて予定地を嵩上げするそうだ。
予定地が正式に決まり、建設が始まったとしても供用開始は2031年。検討開始から16年をかけた計画だ。
さて沼津に目を移すと、沼津市役所庁舎は現在、築58年。その上、高圧受電設備室が地下2階にあり、洪水にせよ津波にせよ、浸水したら市役所全体が機能不全に陥る。
必ず起こると言われている南海トラフや首都直下などの地震、近年の気候変動によるゲリラ豪雨と、市民生活は過去に類を見ない危機にさらされている。災害時に司令塔となる市役所を新築でなくとも、何とかしようという動きすらないのは、なぜか。
沼津市にお金がないからだ。
水害と言えば、原地区や大平地区は、よく冠水・浸水被害が出る。「よく」というのは、「何も対策が取られていないから何度も」ということだ。
この二地区以外にも水の出る場所はあり、どこも抜本的な対策が取られていないから被害が繰り返される。
台風の大型化が懸念される昨今、原因を究明して防災する一方で、避難場所の確保・整備や、そこへの誘導、被害後の施策などが求められているが、沼津市はどれもが、とても手ぬるいのは、なぜか。
沼津市にお金がないからだ。
では、なぜお金がないのか。それは毎年毎年、数十億円を鉄道高架事業のために真っ先に確保しなくてはならないからだ。
その鉄道高架事業、完成は2041年以降と言われている。あと17年。防災のみならず、あらゆる市民サービスを後回しにして「懸ける」価値のあることだろうか。
沼津市と沼津市民は今こそ、この事業について真剣に再考すべきだ。
今月21日、静岡大学の川瀬憲子教授による「鉄道高架の問題点は何か」と題する講演会が開かれる。
40年近く前の価値観で決められてしまった事業なのだ。少なくとも計画自体見直すべきだし、止めることだってできる。栗原裕康元市長が語った「鉄道高架のお陰で何もできなかった」は、鉄道高架のお陰で市民がなおざりにされたということだ。
あと17年以上も蔑(ないがし)ろにされるのか?否、今なら、まだ止められる!
こんなこと市民に言わせないで: 吉田由美子 (岡宮) 沼津朝日投稿 2024年9月3日
夜間救急医療センターの2.5億円にも上る使途不明金問題だが、第一報の後、とんと報道がない。警察も捜査しているようだが、肝心の沼津市から何の発表もないのは、どういうことか。
沼津市内に設置されたこのセンターは、沼津市が広域社団法人夜間救急医療対策協会に指定管理者としての業務を委託している。負担金(委託料)のおよそ半分を沼津市が出してもいる。これらのことから、沼津市が負うべき責任は大きく、率先して行動しなければ他の二市三町は様子見するほかない。
会計管理を一人に任すことの危険性は昭和の時代に十分知れ渡ったと思っていた。令和になって、それも社団法人で、たった一人しか知らない口座が存在したとは。理事会が正常に機能していなかったのは明らかである。協会の理事を務める沼津市長と市議会議長、財務監査監事の沼津副市長の責務は他市町のそれより重いと言わざるを得ず、厳しく責任を追及されてしかるべきだ。
とりわけ市長には2.5億円の120分の1にも満たない不当利得返還請求に請求金額を超える経費をかけて裁判を続ける暇があるなら、この事件の全容解明にこそ尽力してほしい。
なぜ、このような不祥事を防ぐことができないのか、思い当たる節はある。
先般、江本浩二議員の懲罰に対して、県から処分取り消しの審決が出されたが、それは山下富美子議員に対する不当利得返還請求を提訴するという議案の審議中の発言に対してであった。
何度も書くが、この10年間での懲罰は常に未来の風会派議員に対して科せられる。裁判にしろ懲罰にしろ、執拗に、この二人の言動をマークし、隙あらば足をすくおうとしているようだ。そのための粗さがしや揚げ足取りに注力しすぎて、公益社団法人理事、監事としての役目が疎かになったのではないか。
今回の審決の理由付けに沿ったなら同様に処分取り消しになるに違いない懲罰を2022年に山下議員に科したが、23年の市議選で山下議員は高位当選。すると同年秋に提訴。そして、その議案審議中に同会派の江本議員に懲罰を科したが、審決で負けた市議会である。次は何を仕掛けてくるのか、皆さんに注視をお願いしたい。